オーネットはおすすめしない?結婚相談所のコスパが悪い理由
結婚相談所の広告は「理想の相手が効率よく見つかる」「成婚実績が豊富」「安心のサポート」と繰り返します。オーネット(O-net)もその代表格で、会員数・成婚数・アドバイザー伴走といった言葉が前面に出ます。しかし結論から言えば、婚活業者はコスパが悪く、宣伝文句ほど確実でも安くもないサービスです。
国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査(2025年実施)では、18〜34歳の未婚者のうち「一生結婚するつもりはない」と答えた人が男女ともに2割を超えました。恋人がいる割合も男性19.6%、女性27.8%にとどまり、未婚者の3人に1人は交際そのものを望んでいません。恋愛離れ・結婚離れが進むいま、無理して結婚を急ぐ必要はありません。大事なのは、業者の資料請求ボタンや「業界最大級」の数字に流されず、自分の頭で考えることです。
この記事では、オーネットの料金・会員数・成婚退会の定義・サポートの課金構造・消費生活相談の実態を分解し、結婚相談所という業態そのものの費用対効果を検証します。

「無料資料請求」の先にあるのは、入会金・月会費・オプション・交際サポート料・成婚料の積み上げです。数字を見てから判断しましょう。
結論:結婚相談所は高いのに成果が保証されない

結婚相談所のビジネスモデルは、シンプルです。入会時に十万円前後を受け取り、退会するまで毎月1〜2万円を課金し、交際や成婚の局面でさらに数万円〜二十万円超を取る。成果が出なくても、月会費は止まりません。成果が出ても、プランによっては追加課金があります。
業界側は「50年連れ添う相手なら数十万円は安い」と言います。しかしこれは、結婚できた人だけが後から合理化できる話です。結婚できなかった人にとって、その数十万円は回収不能な支出です。経済産業省が過去に示した業界全体の成婚率は約10%という数字が長く引用されてきました。計算方法は事業者ごとに違い、比較は慎重であるべきですが、「払えば結婚できる」わけではないことだけははっきりしています。
オーネットに限らず、大手結婚相談所の宣伝には共通のパターンがあります。
・成婚退会を「結婚した人数」のように語る
・成婚料無料を強調しつつ、別名目の課金を残す
・アドバイザー伴走を「安心」と結びつける
・資料請求を「かんたん無料」と繰り返す
いずれも、契約前の期待値を上げるための言葉です。期待値が高いほど、入会後の落差は大きくなります。国民生活センターのPIO-NETには、結婚相手紹介サービスに関する相談が毎年1,000件前後入っています。2022年は1,260件、2023年は1,027件(JLCAが国民生活センター公表値を紹介)。件数はピーク時より減っていますが、ゼロではありません。相談の中心は、紹介人数の少なさ、解約・返金、説明と実態の差、成婚の定義をめぐる認識違いです。
マッチングアプリの男性有料プランが月数千円、女性は無料が多いことを考えると、結婚相談所は桁が違います。身元確認や独身証明書があるのは事実ですが、その対価として毎年30〜60万円規模を払う価値があるかは、別問題です。結婚したい気持ちが強い人ほど、業者はその焦りを「今始めないと手遅れ」に変換します。その変換に乗らないことが、最初の自衛です。アプリが疲れる、嘘が多い、という不満は理解できます。それでも、その不満を解消するために相談所へ移るのは、問題の種類を「相手の質」から「固定費」に付け替えるだけになりがちです。質を金で買う発想は、質が自分の希望と市場の在庫の交差点である以上、金では埋めきれません。

焦っているときほど、料金表の注釈と「成婚」の定義を先に読むべきです。資料の表紙より、脚注のほうが本音に近いです。
オーネットの料金を分解する——安く見せて高く取る構造

オーネットはプランを3つに再編しています。公式の料金表(税込)は次のとおりです。
| 項目 | アクティブ | スタンダード | プレステージ |
|---|---|---|---|
| 入会時費用 | 99,000円 | 129,800円 | 143,000円 |
| 月会費 | 13,200円 | 20,790円 | 24,200円 |
| 1年の月会費合計 | 158,400円 | 249,480円 | 290,400円 |
| 入会+1年会費 | 257,400円 | 379,280円 | 433,400円 |
これだけでも十分高いのですが、本体料金は入口にすぎません。公式注釈には、次の追加費用が並びます。
・IBJ会員との成婚時は成婚料 220,000円(全プラン共通)
・プレステージの「超親切お見合い」での成婚時も別途 220,000円
・婚活1on1は月1回30分で税込2,200円/月と明記
・パーソナルレッスンは税込11,000円/回(プランにより初回扱いが異なる)
・AIお見合いトレーニングは税込1,100円/月の有償オプション
・アドバイザー推薦お見合いは税込11,000円/1回
・婚活パーティー・イベントは有償オプション
「成婚料無料」はオーネット会員同士に限った話です。連盟(IBJ)の相手と成婚すれば22万円です。会員同士でも、本交際に入った時点で2万7,500円が乗ってきます。宣伝では無料が目立ち、注釈で有料が続きます。
1年で退会できた場合と、2年かかった場合を、スタンダードプランで試算します。月会費以外のオプションは最小限に抑えた数字です。
| シナリオ | 内訳 | 概算総額 |
|---|---|---|
| 1年で会員同士成婚 | 入会129,800+月会費249,480+交際サポート27,500 | 約40.7万円 |
| 1年でIBJ会員と成婚 | 上記+成婚料220,000 | 約62.7万円 |
| 2年活動して退会(成婚なし) | 入会129,800+月会費20,790×24 | 約62.9万円 |
| 2年+レッスン・AI・推薦を少し利用 | 上記+オプション数万円〜十数万円 | 70万円前後も現実的 |
成婚できなかった2年コースが、成婚できた1年コースより高くつくことがあります。業者から見れば合理的です。長く在籍する人ほど売上になるからです。利用者から見れば、成果が出ないほど損が膨らむ逆向きのインセンティブです。
20代割引や法人提携割引は存在します。しかし割引後でも、マッチングアプリや地域の交流、友人紹介と比べれば高額です。クーリングオフは契約書面交付から8日以内。その後の中途解約は、提供済みサービスの対価に加え、2万円または契約残額の20%のいずれか低い額を取られる仕組みです(特定商取引法に基づく公式説明)。「いつでもやめられる」と「全額戻る」は違います。

月1〜2万円は「コーヒー代」ではありません。2年で50〜60万円です。その金額で何ができるかを、先に自分の生活の側から計算してください。
アクティブプランでも、入会9.9万円+月1.32万円です。1on1やレッスン、パーティーを足すと「最安プラン」の意味は薄れます。必要なサポートだけ選べると言うのは、裏を返せば基本料金の外側に収益源があるということです。結婚相談所のコスパが悪い理由は、失敗時の下限が高いことです。アプリなら月額を止めれば終わりに近い。相談所は入会金が沈み、解約にも手数料が残ります。
「会員12.1万人」「成婚実績」は宣伝用の数字である

オーネットの公式サイトは「会員数12.1万人」「業界最大級」を繰り返し使います。2026年1月1日時点の内訳は、公式注釈にこう書かれています。
・IBJ会員 104,859名
・重複 13,313名を除いて合計 121,727名
・会費の支払いが終了した会員を含む
・休止中のオーネット会員 5,876名を含む
見出しの12.1万人は、自社の活動会員数ではありません。連盟会員を足し、支払い終了者と休止中も含めた合算です。オーネット本体の登録は約3万人、そのうち休止が約6千人。実際に会費を払いながら活動している人数は、宣伝の数字よりかなり小さいと考えられます。
「会員が多い=自分に合う相手が大量にいる」も短絡です。申し込み上限はプランで制限されています。公式表では、お手軽お見合いは毎月2名、オーネット会員検索は毎月5〜8名、両想いマッチングは毎月6〜10名といった枠があります。母数を大きく見せたうえで、実際の接触回数は月単位で絞る。これが相談所型サービスの典型です。検索できることと、会えることは別です。
成婚の見せ方も同様です。ある業務提携の開示資料では、2025年の成婚退会者実績を2,577組、3,923名と記しています。注釈では「会員同士で成婚することとなったとの退会届を提出した会員」であり、「会員以外の方との婚約・結婚による退会者は含まない」とあります。
ここには三つの読み替えがあります。
1. 成婚退会は「婚姻届を出した人数」ではない
退会届の提出がカウントの起点です。婚約、本交際、結婚のどの段階を「成婚」と呼ぶかは、事業者の用語です。広告の「成婚」を、役所の婚姻統計と同じ意味で受け取ると過大評価になります。
2. 過去の広告は会員外成婚まで合算していた
以前の紹介記事では、会員同士4,652名に会員以外4,970名を足し、年間9,622名が相手を見つけたと紹介していました(2022年実績として公式が公表していた数字)。会員以外との成婚退会は、相談所の外で相手を見つけて退会した人です。それをサービスの成果のように並べるのは、分母と分子の取り方として不誠実です。今の開示が会員同士に絞っているのは、むしろその合算が誤解を招くと業界側も分かっているからでしょう。
3. 在籍者に対する割合は大きくない
登録約3万人に対し、年間の会員同士成婚退会が約3,900名だとしても、単純割りは危険です。在籍期間は人によって違い、休止者を含み、退会届ベースです。それでも「大半がすぐ結婚できる場所」ではないことは分かります。長く払って退会する人がいなければ、月会費モデルは成り立ちません。
「累計13万人以上のご成婚」といった歴史数字も、会員外退会を足した累計が使われてきました。長い運営歴があるのは事実です。事実と、今の自分が払う対価の回収可能性は、分けて考える必要があります。
成功事例のページも、同じ構造です。支社名、使ったツール、前向きな一言。掲載されるのは、退会届を出したあと業者側が公開してよいと判断した声です。うまくいかなかった人の「月会費だけが残った」は、公式の成功事例には並びません。広告として読めばよく、統計として読めば足りません。成婚者の体験談が「効率よく会えた」と書いてあっても、それはその人の条件と時期と運が重なった結果です。同じ手順を踏めば同じ結果になる、という保証にはなりません。効率よく会えた対価が40万円なのか60万円なのかも、体験談の吹き出しには通常出ません。
マッチングアプリとの比較も、業者は「真剣度」で片付けます。アプリは無料や月数千円で、相手の本気はバラバラです。相談所は高いが本気の人が集まる、という対比です。しかし本気を会費で測るなら、払える人の市場になります。年収や容姿や年齢の希望が強い人ほど、同じ希望を持つ競合も多く、紹介は減ります。真剣な人が多い場所は、選ばれる競争も厳しい場所です。競争が厳しい市場に、高い入場料を払うかどうかを、真剣さとは別に計算する必要があります。

大きな数字の横にある※を飛ばすと、業者の土俵で考えさせられます。※を先に読む習慣が、いちばん安い自衛です。
サポート体制は安心材料ではなく、課金ポイントである
オーネットが推すのは、担当アドバイザー、月1回の「婚活1on1」、パーソナルレッスン、交際中のW担当サポートです。広告の語彙は「一人で悩ませない」「出会ってからが本領」です。しかし料金表と照合すると、伴走の多くは有料の単位に分解されています。
アドバイザーは味方というより、契約継続の接点
担当がプロフィール作成やデートの相談に乗るのは、サービスとして分かりやすいです。同時に、担当は「もう少し活動を続けましょう」「このオプションが有効です」を言いやすい立場でもあります。相性が悪い担当に当たった場合、月会費は止まりません。相談所の不満で多いのは、紹介の質と人数、担当の熱量の差です。人に依存するサービスは、当たり外れが価格に見合いません。
1on1・レッスン・推薦紹介は別料金になりやすい
30分の作戦会議、模擬お見合い、推薦お見合い1回1.1万円。名前は支援ですが、中身は追加課金です。基本料金で「サポート付き」と思い込んで入ると、実際に手厚く使った瞬間に請求が増えます。プレステージは招待制で月会費も最高です。最上位に上げるほど、成婚時の22万円が乗ってくる条件も残ります。
交際サポートは「ゴール直前」の課金
本交際に入ると会員間の活動を休止し、月会費は休止中2,200円に下がる一方、交際サポート料2万7,500円が発生します。関係が深まったタイミングでの課金は、心理的に断りにくい。ここが設計の巧さです。交際が破談になっても、それまで払った入会金・月会費・サポート料は戻りません。
パーティーやイベントも有償
「5つの出会い方」「9種類の出会い」と数えるのは無料の豊富さではありません。枠の上限があり、リアルイベントはオプションです。多様性を並べて選択している感覚を出し、実際の行動回数は課金と上限で制御する。効率よく会えるという宣伝と、月に会える人数の上限は、同時には成立しにくい話です。
「多様な出会い方」も、上限と有料の組み合わせである
オーネットはオンラインマッチング、パーティー、個別紹介、セミナー、メッセージやビデオ通話といった出会い方を並べます。数が多いと、自分に合う方法が必ずあるように見えます。実際には、会員検索・両想い・スター送信・お手軽お見合いは月ごとの件数上限があり、パーティーと推薦紹介は有償です。ビデオ通話や掲示板は、アプリでもできることを相談所の月会費の内側に入れたにすぎません。
個別紹介は「アドバイザーが希望に合わせて選ぶ」と説明されます。選ぶ側は、会費を払っている会員全体の在庫から、その月の枠に収まる相手を出します。在庫が薄い地域・年齢・年収帯では、希望と違う紹介が続きやすい。これは担当の悪意というより、母数が合算広告ほど厚くないことの帰結です。セミナーやワークショップで婚活スキルを学ぶ、という導線も、レッスン課金や継続在籍と相性がよい話です。学びが必要なら、書籍や無料の公開情報でも足りることが多い。月会費を払う場所で学ぶ必然はありません。
データマッチングも同様です。希望条件を細かく入れるほど「自分向け」に感じますが、条件を厳しくすればヒットは減り、緩くすれば質に不満が出ます。その揺り戻しのたびに担当が「プロフィールを直しましょう」「レッスンを受けましょう」と提案できる。システムは最適化というより、課金を続ける対話を生む装置としてよくできています。
独身証明書の提出は、既婚者の混入を減らす点では意味があります。ただし証明書は本籍地で取れます。それが「相性の良い人が大量にいる」「必ず前に進める」ことの証明にはなりません。セキュリティや業界団体加盟も、個人情報の取り扱いの最低条件であって、成婚の確度ではありません。信頼性と効果を混同させるのが、この業界の常套手段です。

「伴走」は優しさの言葉です。家計の言葉に直すと、継続課金と追加課金です。
恋愛離れ・結婚離れが進む今、無理して結婚を急ぐ必要はない

婚活業者の前提は、「結婚は急いだほうがよい」「一人では出会えない」「今動かないと市場価値が下がる」です。統計は、その前提ほど単純ではありません。
第17回出生動向基本調査の要点は、次のとおりです。
・「一生結婚するつもりはない」は男性24.0%、女性21.5%。調査開始以来初めて2割超
・結婚に利点があると考える割合は男性56.3%、女性63.4%で過去最低
・結婚に利点がないと考える未婚者は男性42.8%、女性36.0%で過去最高
・異性の恋人がいる割合は男性19.6%、女性27.8%
・未婚者の3人に1人は交際を望んでいない
・希望子ども数も低下が続いている
研究所の担当者は、結婚や出産を「当たり前」と捉える人が減り、自分にとって利点があるかを慎重に考えるようになった、と説明しています。物価高や住居費の負担感も指摘されています。つまり、結婚しない人は怠けているのではなく、費用対効果を計算している面が大きい。
婚活業者はこの変化を認めません。認めると、焦らせる広告が弱くなるからです。代わりに「真剣な人が集まる場所」を売り、真剣さを会費で測ります。会費を払える人が真剣で、払わない人が不真面目、という図式は便利です。しかし実際には、会費を払える余裕がある人と、結婚したい気持ちが強い人は一致しません。余裕がない人ほど、高額な相談所に手を出して生活が苦しくなる失敗があります。
恋愛経験が少ないこと、職場に独身者が少ないこと、アプリが疲れることは、相談所に入る理由にはなり得ます。それでもそれは「数十万円を先に払う理由」には直結しません。友人の紹介、趣味のコミュニティ、地域の活動、アプリの無料期間、自然な付き合いの延長。どれも成婚を保証しませんが、相談所も保証しません。保証がないなら、失ったときの痛手が小さい手段から試すのが合理的です。
「結婚しないと老後が不安」も、業者の焦らせ文句に使われます。老後の不安の中身は、住居、医療、介護、孤立です。配偶者を買えば解決する問題ではなく、貯蓄、技能、人間関係、公的制度の理解で崩す問題です。結婚そのものがリスクになるケース(家計の不一致、介護負担の偏り、離婚費用)もあります。急いで入った結婚が、相談所の成婚退会数を増やすだけ、という本末転倒は十分あり得ます。

周りが結婚しているから焦る、という理由は、業者にとって最高の材料です。自分の生活の満足度を、他人の婚姻届で採点する必要はありません。
家計の側から見ると、相談所の月会費は固定費です。食費を削って会費を払う、趣味をやめて会費を払う、貯蓄を崩して入会金を払う。その状態でデート代も重なると、活動自体が苦しくなります。苦しい活動は表情や余裕に出やすく、紹介の成功率を下げます。高いサービスを買うほど成果が遠のく、という逆効果は十分あり得ます。先に生活防衛資金を置き、余った範囲でしか婚活費を見ない。この順番を崩して「投資」と呼ぶのは、投資ではなく支出の取り違えです。
結婚したい人が悪いのではありません。したいなら、相手と条件と家計を自分の言葉で整理すればよい。したくないなら、しなくてよい。曖昧なまま「とりあえず相談所」は、いちばん高い曖昧さの処理です。曖昧さは無料のノートと時間で処理できます。月2万円の会費で処理する話ではありません。
消費生活相談が示す、入会後に起きやすいこと
結婚相談所は特定継続的役務として規制されています。クーリングオフがあるのは、それだけ契約トラブルが起きやすい業態だからです。PIO-NETの相談は、悪質業者だけの話ではありません。大手でも、期待と契約のずれは起きます。
よくあるずれは、次の型です。
紹介が少ない、条件が違う
入会前は「希望に合う人がいる」と言われ、入会後は月に数名、条件が遠い人、返信が来ない人、が並ぶ。会員数の合算広告を真に受けると、この落差は大きくなります。申し込み上限がある以上、体験が「少ない」のは仕様に近い。
解約と返金
8日を過ぎると、全額返還にはなりません。活動を始めたあとの解除は、提供済み対価と違約金的な上乗せがあります。休会中の引き落とし、説明不足のオプション請求も相談テーマになります。「いつでもやめられる」は、損を最小化できる、という意味ではありません。
成婚の定義
真剣交際に入った時点の課金、破談後の非返還、連盟経由の成婚料。利用者が「結婚が決まるまで成果報酬」だと思っていると、衝突します。オーネットは会員同士の成婚料0円を強調しますが、交際サポート料とIBJ成婚料は残っています。無料の範囲を契約書で確認しないまま「無料だから安心」は危険です。
必ず結婚できる、という言い方
成婚を断言する勧誘は、特定商取引法の不実告知になり得ます。業界団体も注意喚起しています。それでも営業トークは「前向き」を装って確度を上げます。断言されなくても、「あなたなら大丈夫」「今の会員層なら」は、実質的な確約として耳に残ります。残った印象で印鑑を押すと、あとで自分がその印象の責任を負わされます。
相談件数が減っていることを、業界の健全化の証拠と見る向きもあります。一方で、会員がアプリに流れ、相談所の利用者層が変わった可能性もあります。件数が減っても、払う金額が大きい以上、一件あたりの痛手は軽いとは言えません。トラブル率の低さは、価格の高さを正当化しません。

契約書面の8日は、冷静になるための時間です。営業の熱が残っているうちに「特典が今月まで」と言われても、家計の数字は変わりません。
宣伝文句に流されず、自分の頭で考える

判断の軸は、業者のパンフレットではなく、次の問いに自分で答えることです。紙に書いたほうが、面談の場で流されにくくなります。
② 相手に求める条件は、自分の年収・生活・性格と釣り合っているか
③ 入会金と2年分の会費を失っても、生活が壊れないか
④ 「成婚」が婚姻なのか、退会届なのか、契約書のどの行なのか
⑤ 会員数の内訳(自社/連盟/休止/支払い終了)を説明できるか
⑥ アプリ・知人・趣味の場を、同等の期間と熱量で試したか
⑦ 担当者の「今がチャンス」は、自分の人生の締め切りなのか、営業の締め切りなのか
⑧ 結婚しない選択を、失敗ではなく計画として想像できるか
②が甘いと、相談所に入っても紹介は空振りしやすいです。③が危ういなら、高額な継続課金は不適合です。⑥を飛ばして⑦だけ聞くと、業者の土俵です。⑧が想像できない人ほど、「皆婚」時代の残り香に急かされます。今は皆婚の時代ではありません。
自分の頭で考える、とは、冷たく一人で生きろという話ではありません。友人に相談する、消費生活センター(188)の制度を知る、料金の注釈を音読する、月会費と同じ額を先に貯蓄口座へ移してみる。いずれも、業者の資料請求より先にできることです。資料は無料でも、その後の面談はクロージングの場です。無料の入口は、有料の出口のためにある、と考えるほうが正確です。
オーネットに限らず、ツヴァイもIBJ加盟店も、構造は似ています。入会金、月会費、サポート、成婚時の追加。違いは金額の配分と、どの数字を大きく見せるかです。一社の口コミを集めて「ここなら大丈夫」とするより、業態として高いと認めたうえで、それでも払う理由があるかだけを見るべきです。払う理由が「テレビCMを見た」「無料診断が的中した気がした」「担当が親切だった」なら、理由になっていません。親切は営業の基本技能です。
比較表を一枚、自分用に作ると判断は速くなります。左に相談所、右にアプリや紹介、下に「2年で失ってよい上限」。上限を先に決めてから面談に行くのと、面談の雰囲気で決めるのとでは、結果が違います。上限がない人は、プレステージやオプションの話に流れます。上限がある人は、注釈の22万円を見て帰れます。自分の頭で考えるとは、この上限を他人に委ねないことです。家族が「いい歳なんだから」と言う圧力も、上限の外に置きます。家族は会費を払いません。払うのは自分です。
考える材料は、すでに公開されています。料金表、注釈の会員定義、出生動向基本調査、PIO-NETの相談傾向。足りないのは情報ではなく、焦りをいったん止める時間です。時間を買うために相談所へ行く、という説明もあります。しかし時間を買うはずのサービスが、月会費で時間を延長させるなら、買っているのは時間ではなく在籍期間です。

無料診断で「お相手候補がいる」と出ても、それは入会を促す画面です。候補がいることと、その人と結婚できることは、何段階も離れています。
考える材料は、すでに公開されています。料金表、注釈の会員定義、出生動向基本調査、PIO-NETの相談傾向。足りないのは情報ではなく、焦りをいったん止める時間です。時間を買うために相談所へ行く、という説明もあります。しかし時間を買うはずのサービスが、月会費で時間を延長させるなら、買っているのは時間ではなく在籍期間です。
まとめ:払う前に、急がない勇気を持つ
オーネットをはじめとする結婚相談所は、独身証明や担当者という形式上の安心を売り、その対価として入会金と長期の月会費を取ります。会員数は連盟合算で大きく見え、成婚は退会届ベースで語られ、無料に見える箇所の横に交際サポート料やIBJ成婚料が残ります。1年で約26〜43万円、条件次第で60万円を超える。失敗しても、その多くは戻りません。これがコスパの実態です。
一方で社会の側では、結婚しないつもりと答える未婚者が2割を超え、恋人を持たない人、交際を望まない人が珍しくなくなりました。結婚に利点を感じない人も増えています。この環境で「今すぐ婚活」を常識のように扱うのは、業者の都合です。結婚したい人は、したい理由と払える上限を自分で決めてから手段を選べばよい。したくない人、急がない人は、急がなくてよい。
最後に残るのは、次の三点だけです。
② 恋愛離れ・結婚離れは個人の欠陥ではなく、今の統計的な現実である
③ 宣伝の大きな数字より、注釈と家計と自分の意思を優先する
資料請求のボタンは、考えを代行してくれません。考える主体は、会費を払う本人です。その順番を守れるかどうかが、オーネットや結婚相談所を見るときの分水嶺です。無料診断、期間限定の入会金割引、20代割、のりかえ割も、判断を急がせる装置です。割引は「今決めさせる」ための数字であって、「安くなったから得」の証明ではありません。得かどうかは、成婚できたあとでしか確定しません。確定する前に払う金額が大きいことこそが、この業態の問題です。

急がなくていい、は逃げではありません。払う理由を言語化できるまで待つことです。言語化できない出費は、宣伝に払っているのと同じです。払う前に立ち止まるほうが、入会後に後悔するより安くつきます。


