「相続した土地をどうするか決められない」「アパートを建てないかと営業に言われたが、判断材料がない」——土地活用の入口で止まっている方に向けて、まず結論をお伝えします。1社だけの提案で決めるのが、この分野で最も損をする進め方です。同じ土地でも、依頼する会社によって建築費も想定家賃も収支計画も大きく変わります。ビルドリ(Build-Re)は、複数のハウスメーカー・不動産会社から無料でまとめて提案を取り寄せられる一括資料請求サービスです。この記事では、サービスの仕組みと使いどころ、正確な税制優遇の内容、そして提案書を受け取ったときに必ず確認すべき項目までを整理します。
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ビルドリ(Build-Re)とは?土地活用の一括資料請求サービス
ビルドリは、土地活用を検討している人と、アパートやマンションを手がけるハウスメーカー・不動産会社をつなぐ土地活用コンシェルジュサービスです。運営はAIM PLACE, Inc.(株式会社エイムプレイス)。1回の入力で複数社に資料請求でき、対応エリアは全国、利用は完全無料です。
公表されている実績
注目したいのは3番目です。利用者の8割が土地活用の未経験者、つまりこの分野の相場観をまったく持っていない人が大半だということです。これは裏を返せば、営業側から見ると価格や条件の妥当性を判断できない相手が多いということでもあります。だからこそ、複数社を並べて比較する意味が大きくなります。
対応している4つの活用方法
| 活用方法 | 初期投資 | 特徴 |
|---|---|---|
| アパート | 大きい | 木造・軽量鉄骨が中心。住宅用地特例の対象で税制面が有利 |
| マンション | 最も大きい | RC造中心。戸数を確保できるが建築費が高額 |
| 賃貸併用住宅 | 大きい | 自宅と賃貸を1棟に。住宅ローンが使える場合がある |
| コインパーキング | 小さい | 建物を建てないため撤退しやすいが、税制優遇は受けられない |
この4つは、必要な資金も撤退のしやすさもまったく異なります。「とりあえずアパート」と決め打ちせず、コインパーキングまで含めて比較するのが正しい進め方です。特に、将来その土地を売却したり自宅を建てたりする可能性が残っているなら、建物を建てない選択肢の価値は高くなります。
なぜ無料で使えるのか
一括資料請求サービスが無料である理由は明確です。紹介を受けた企業側が、サービス運営会社に手数料を支払う仕組みだからです。利用者が費用を負担しないのはそのためです。
この構造を理解しておくと、サービスとの付き合い方が変わります。運営会社にとっての顧客は提携企業であり、登録した情報は提携先の営業担当に渡ります。つまり、申し込めば複数社から連絡が来るのが前提です。これは悪いことではなく、そういうサービスだと分かったうえで使えばいいだけの話です。

連絡が来るのを避けたいなら、そもそも一括請求サービスは向きません。逆に、比較のために複数社と話すつもりなら、これほど効率のいい入口はありません。
対策としては、日中に対応しやすい連絡先を登録しておくこと、そして最初の電話で「今は比較検討の段階で、複数社の提案を見てから決める」と明言しておくことです。これを伝えておくだけで、その場で契約を迫られる展開はかなり減ります。
アパート経営の税制優遇を正確に理解する
土地活用の営業で必ず出てくるのが節税の話です。ここは数字が独り歩きしやすい領域なので、正確に押さえておきましょう。
固定資産税は「課税標準」が6分の1になる
住宅が建っている土地には、住宅用地の特例が適用されます。内容は次のとおりです。
| 区分 | 面積 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 1戸あたり200㎡以下の部分 | 課税標準が6分の1 | 課税標準が3分の1 |
| 一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 課税標準が3分の1 | 課税標準が3分の2 |
ここで重要なのが「1戸あたり」という点です。アパートのような共同住宅では1室を1戸として数えるため、10戸のアパートなら2,000㎡までが小規模住宅用地として扱われます。一般的な規模の土地であれば、敷地全体に6分の1が適用されるケースがほとんどです。
ただし注意してください。軽減されるのは「課税標準」であって、税額がそのまま6分の1になるわけではありません。また、建物には別途固定資産税がかかります。更地のときより土地の税金は下がりますが、建物の税金と維持費が新たに発生するため、トータルの支出が減るとは限りません。ここを混同させる説明には注意が必要です。
相続税評価が下がる仕組み
相続対策としてアパート建築が勧められるのは、賃貸物件が建っている土地(貸家建付地)の相続税評価額が下がるためです。評価の考え方は次のようになります。
「相続税が最大3分の1になる」といった説明を見かけますが、実際の減額幅は土地の借地権割合や賃貸割合、特例の適用可否によって変わります。借地権割合が60%の土地で満室なら、貸家建付地としての減額は18%です。そこに小規模宅地等の特例が使えれば、さらに大きく下がります。条件次第で結果が変わる以上、一律の数字を鵜呑みにしてはいけません。
「節税」だけを目的にしてはいけない理由
節税効果は確かにあります。しかし、相続税を数百万円下げるために、数千万円の借入をして建物を建てる——という構図であることは忘れないでください。
アパート経営が成立するかどうかを決めるのは、税制優遇ではなくその土地に賃貸需要があるかどうかです。入居者が集まらなければ、節税効果を上回る損失が毎月発生します。節税を入口に話が進んでいると感じたら、いったん立ち止まって「この土地は、税金の話を抜きにして収益が出るのか」を考え直してください。
不動産を使った資産形成には他の選択肢もあります。区分マンション投資との比較はJ.P.Returns(JPリターンズ)でマンション投資、投資全般の考え方はOh!Ya(オーヤ)で始める不動産投資もあわせて確認しておくと視野が広がります。
一括資料請求の最大の利点は「相見積もり」が取れること
ビルドリのようなサービスを使う意味は、情報収集そのものより複数社を同じ条件で比較できることにあります。
1社だけの提案では妥当性が判断できない
土地活用の提案書には、建築費・想定家賃・利回り・収支計画が並びます。しかし1社分だけを見せられても、その建築費が高いのか安いのか、その想定家賃が現実的なのか強気すぎるのかは分かりません。比較対象がなければ、どんな数字も「そういうものか」と受け入れるしかなくなります。
同じ土地に対する提案でも、会社によって建築費が数百万円から一千万円以上違うことは珍しくありません。工法が違えば当然コストも違いますし、想定家賃の置き方にも各社の癖があります。3社並べて初めて、どれが標準的でどれが極端なのかが見えてきます。
比較すべき5項目
| 比較項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 建築費の総額 | 本体価格だけでなく、外構・地盤改良・設計料・消費税を含めた総額か |
| 想定家賃の根拠 | 近隣の実際の募集家賃と比べて妥当か。周辺相場の資料が添付されているか |
| 想定入居率 | 100%で試算していないか。実務では85〜90%で見るのが現実的 |
| 修繕・管理費 | 10年後・20年後の大規模修繕費が収支計画に入っているか |
| 家賃下落の織り込み | 30年間同じ家賃で計算していないか |
この5項目のうち、特に3番目と5番目は要注意です。入居率100%・家賃据え置きで30年間の収支を作れば、どんな計画でも黒字に見えます。提案書を受け取ったら、まずこの2つの前提がどう置かれているかを確認してください。ここが甘い提案は、その時点で信頼度を下げて構いません。
資料請求の前に押さえるべき4つのリスク
営業資料には書かれにくい、しかし現実に起こることを整理します。
空室リスク
最も基本的で、最も重いリスクです。ローン返済は入居者がいなくても発生します。人口が減少している地域では、新築時こそ埋まっても、10年後に同じ入居率を維持できる保証はありません。周辺の空室状況は、提案を受ける前に自分の目で確認しておくべきです。賃貸情報サイトでその地域の募集件数を調べれば、供給過剰かどうかはすぐ分かります。
家賃下落
建物は年々古くなり、周辺にはより新しい物件が建ちます。新築時の家賃を30年維持することは、通常ありえません。収支計画に家賃下落が織り込まれているかどうかは、その提案の誠実さを測る指標になります。下落率をどう置いているか、必ず質問してください。
サブリース契約の落とし穴
「30年間家賃保証」という提案を受けることがあります。空室でも一定額が入るという仕組みですが、保証賃料は多くの契約で数年ごとに見直される点に注意が必要です。契約書に見直し条項が入っていれば、保証額が下がる可能性があります。
この点はトラブルが多発したため、賃貸住宅管理業法によって重要事項の説明が義務化されています。「30年保証」という言葉ではなく、契約書の見直し条項と解除条件を読んでください。読まずに署名するのが最悪の選択です。
借入金利の上昇
変動金利で数千万円を借りる以上、金利が上がれば返済額も増えます。収支計画が現在の金利水準ぎりぎりで成立している場合、わずかな上昇で赤字に転じます。金利が1%上がった場合の収支を必ず試算してもらってください。それを渋る会社とは契約しないほうが賢明です。
資料請求から着工までの流れ
- 公式サイトのフォームに入力/土地の所在地、広さ、所有状況などを入力します。土地を持っていない人向けのフォームも用意されています
- 資料請求する企業を選ぶ/表示された企業から、話を聞きたい会社を選択します。最初は3社程度に絞るのが現実的です
- 資料・提案を受け取る/メールまたは郵送で届きます。各社から個別に連絡が入ります
- 提案書を横並びで比較する/前述の5項目を表にして比較してください。ここが最も重要な工程です
- 絞り込んで詳細プランを依頼/1〜2社に絞り、具体的な設計と収支計画を詰めます
- 契約・着工/契約前に、可能であれば第三者の専門家に契約書を確認してもらってください
手順2で企業を選びすぎると、連絡対応だけで疲弊します。比較の目的を果たすには3社で十分です。逆に1社だけを選ぶなら、そもそも一括請求を使う意味がありません。
手順4の比較作業は、面倒でも自分の手で表を作ってください。各社が用意した提案書は、それぞれ体裁も項目の並びも違います。そのまま読み比べても、都合のいい部分だけが目に入る作りになっています。建築費・想定家賃・入居率・修繕費・金利という5つの軸を縦に並べ、社名を横に置いた表を1枚作るだけで、判断の質が変わります。
また、資料が届いてから契約までの期間に決まりはありません。営業担当から「今月中なら」と言われることがありますが、数十年続く事業の判断を、キャンペーンの期限に合わせる理由はありません。急かされたら、それは判断材料が足りていないという合図だと考えてください。
手順6の契約前チェックについても補足します。建築請負契約は金額が大きく、条項も専門的です。可能であれば、建築士や不動産に強い専門家に契約書を一度見てもらうのが安全です。特に、着工後の追加費用がどう扱われるか、工期が遅れた場合の取り決めがあるかは、必ず確認しておきたい項目です。
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ビルドリが向いている人・向いていない人
一括資料請求サービスは、万人向けの道具ではありません。「比較する意思がある人」にとっては非常に効率的で、「決めている人」や「連絡を受けたくない人」には向かない——この一点で判断できます。
向いている人
向いていない人
最後の項目は特に見落とされがちです。更地は買い手が用途を自由に決められるため売りやすいのですが、入居者がいるアパートが建っている土地は、買い手が限られます。投資家向けの物件として売ることになり、価格は収益還元で評価されます。「土地の値上がりを期待して持ち続ける」という発想とは、まったく別の世界に入ることを意味します。
逆に言えば、その土地を手放す予定がなく、次の世代に引き継ぐ前提であれば、アパート経営は理にかなった選択肢になります。判断の分かれ目は「出口をどう考えているか」です。ここを決めずに建ててしまうと、20年後に身動きが取れなくなります。
提案書を受け取ったら必ず確認する3つのこと
土地活用は、一度始めると数十年単位で付き合うことになる判断です。最後に、提案書が届いたときの確認事項を3つに絞ります。
- 入居率と家賃下落の前提/100%・据え置きで作られた計画は、参考になりません。85〜90%、家賃は逓減で作り直してもらってください
- 建築費が総額表示か/外構・地盤改良・設計料・消費税を含めた金額でなければ、社ごとの比較になりません
- 金利が1%上昇したときの収支/これを出せない、出したがらない相手は避けてください
そして最後にもう一度。節税は目的ではなく、収益が出る計画に付随する結果です。相続税の話から入ってきた提案ほど、この順序が逆になりがちです。その土地に住みたい人がいるのか。家賃はいくらで、何室埋まるのか。まずそこを確かめてから、税金の話をしてください。
判断に迷ったら、提案を受けた会社とは利害関係のない税理士やファイナンシャルプランナーに、契約前の段階で相談することをおすすめします。数千万円の判断に対して、数万円の相談料は安い保険です。
そして、比較した結果「この土地では建てないほうがいい」という結論に至るのも、立派な成果です。一括資料請求は契約するための手続きではなく、判断材料を集めるための手続きです。3社の提案を見て、どれも収支が厳しいと分かったなら、それは数千万円の失敗を回避したということになります。
土地活用の営業は、動かないことのリスクを強調してきます。確かに更地のままでは固定資産税の負担が続きますが、その負担額と、借入をして建てた場合の月々の返済額を並べて考えてください。「何もしないと損」という言葉に押されて動くのが、この分野で最も危険な意思決定です。まずは数字を集めることから始めましょう。
※本記事に記載の実績・制度は2026年9月時点の公表情報に基づく一般的な説明です。税制の適用可否は個別の状況によって異なります。具体的な判断は税理士等の専門家にご確認ください。


